節税

サラリーマンの不動産投資節税|年収別の具体的シミュレーション

年収500万・700万・1000万円のサラリーマン別に、不動産投資で節税できる金額と仕組みを具体的な数字で解説します。

Estate Serenity Nova Editorial Team2026-06-13更新 2026-06-13

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「サラリーマンが不動産投資で節税できる」という話はよく聞きますが、具体的にいくら節税できるのか、どんな仕組みなのかが分からない方が多いです。

本記事では、年収500万円・700万円・1,000万円のサラリーマンが、不動産投資でどれくらい節税できるかを具体的な数字でシミュレーションします。

節税の基本メカニズム

損益通算(不動産所得の赤字で給与所得を圧縮)

不動産投資の所得(家賃収入 - 経費)が赤字になった場合、**給与所得と合算(損益通算)**できます。これにより、課税所得が減り、所得税・住民税が下がります。

給与所得: 800万円
不動産所得: -100万円(赤字)
合算後の課税所得: 700万円

節税額 = 100万円 × 実効税率(所得税+住民税)

「経費」として計上できる主なもの

経費項目内容金額目安(年間)
減価償却費建物の経年価値減少30〜200万円
ローン利息借入金の利息20〜100万円
管理費管理委託費5〜20万円
修繕積立金積立金5〜20万円
固定資産税毎年の税金5〜15万円
損害保険料火災保険等2〜5万円
交通費物件視察等数万円

減価償却費は「実際のキャッシュ出費ゼロ」で経費にできるため、節税の核心部分です。

税率の確認

所得税は累進課税のため、収入が高いほど節税効果が大きくなります。

課税所得所得税率住民税合計実効税率
〜195万円5%10%約15%
195〜330万円10%10%約20%
330〜695万円20%10%約30%
695〜900万円23%10%約33%
900〜1,800万円33%10%約43%
1,800〜4,000万円40%10%約50%
4,000万円超45%10%約55%

年収500万円のサラリーマンのシミュレーション

前提条件

  • 年収: 500万円
  • 所得控除後の給与所得: 約346万円(給与所得控除等)
  • 課税所得帯: 330〜695万円(税率20%+住民税10%)

物件設定(ワンルームマンション1戸)

物件価格: 2,000万円
  建物部分: 1,200万円(減価償却対象)
  土地部分: 800万円(対象外)
構造: RC造(耐用年数47年)
築年数: 5年(残耐用年数: 42年)
家賃: 8万円/月(年96万円)
ローン: 1,800万円(金利2.0%・35年)

年間収支(会計上)

家賃収入: 960,000円

経費:
  減価償却費: 1,200万円 ÷ 42年 ≒ 285,714円
  ローン利息: 約350,000円(初年度)
  管理費: 57,600円(家賃の6%)
  修繕積立金: 120,000円
  固定資産税: 80,000円
  火災保険: 25,000円
  合計経費: 918,314円

不動産所得: 960,000 - 918,314 = 41,686円(少額プラス)

この場合、経費が家賃収入とほぼ同額で節税効果は小さめです。

節税が出るパターン(ローン元本含む年度・築年数が浅い)

物件価格: 2,000万円(築1年・新築)
建物: 1,600万円(RC造・47年で均等償却)
減価償却費: 1,600万円 ÷ 47年 ≒ 340,425円
ローン利息(初年度): 約400,000円
その他経費: 約280,000円

経費合計: 1,020,425円
家賃収入: 960,000円
不動産所得: -60,425円(赤字)

損益通算による節税:
  60,425円 × 30% ≒ 18,000円/年

年収500万円のサラリーマンでは、節税額は年間数万円程度になることが多いです。

節税より「長期の資産形成・老後の家賃収入」が主目的として捉える方が合理的です。

年収700万円のサラリーマンのシミュレーション

前提条件

  • 年収: 700万円
  • 課税所得帯: 695〜900万円(税率23%+住民税10% ≒ 33%)

物件設定(新築区分マンション・東京)

物件価格: 3,500万円
  建物部分: 2,100万円(RC造・47年償却)
  土地部分: 1,400万円
家賃: 11万円/月(年132万円)
ローン: 3,200万円(金利2.5%・35年)

年間収支(会計上)

家賃収入: 1,320,000円

経費:
  減価償却費: 2,100万 ÷ 47年 ≒ 446,808円
  ローン利息: 約750,000円(初年度)
  管理費: 79,200円
  修繕積立金: 150,000円
  固定資産税: 120,000円
  火災保険: 30,000円
  合計経費: 1,576,008円

不動産所得: 1,320,000 - 1,576,008 = -256,008円(赤字)

損益通算による節税:
  256,008円 × 33% ≒ 84,000円/年

年収700万円では年間約8万円の節税が期待できます。

10年間の累計節税効果

年間節税額: 84,000円
10年間累計: 840,000円

ただし以下の点に注意:
  - 減価償却は47年で均等(年々変化)
  - ローン利息は年々減少(節税効果も減る)
  - 空室・修繕が発生すると変動する

年収1,000万円のサラリーマンのシミュレーション

前提条件

  • 年収: 1,000万円
  • 課税所得帯: 900〜1,800万円(税率33%+住民税10% ≒ 43%)

物件設定(木造アパート1棟)

物件価格: 5,000万円
  建物部分: 3,500万円(木造・耐用年数22年→残3年で大量償却)
  土地部分: 1,500万円
建物: 築20年(木造)→ 残耐用年数2年(22-20=2年)
年間減価償却費: 3,500万円 ÷ 2年 = 1,750万円(2年間!)
家賃: 25万円/月(6戸×4.2万円、年300万円)
ローン: 4,000万円(金利2.5%・20年)

年間収支(会計上)

家賃収入: 3,000,000円

経費:
  減価償却費: 17,500,000円(2年間の大量償却)
  ローン利息: 約900,000円
  管理費: 180,000円
  修繕費: 300,000円
  固定資産税: 200,000円
  合計経費: 19,080,000円

不動産所得: 3,000,000 - 19,080,000 = -16,080,000円(大幅赤字)

損益通算:
  10,000,000円(給与所得) - 16,080,000円(不動産赤字)
  = 損益通算できるのは給与所得範囲内の10,000,000円まで
  
  節税額: 10,000,000円 × 43% ≒ 4,300,000円/年(2年間)
  2年間合計: 約8,600,000円の節税

年収1,000万円台では、木造築古物件の大量減価償却で年間数百万円の節税が可能になります。ただし、減価償却完了後は一転して課税が重くなるため、出口(売却)の計画が重要です。

「節税の先送り」に注意

不動産投資の節税は、売却時に「譲渡所得税」として戻ってきます。減価償却で節税した分は、売却価格から「取得費を差し引く際に加算」されます。完全な節税ではなく「課税の先送り」です。長期保有(5年超)で税率を下げつつ、売却タイミングを計画することが重要です。

節税目的の不動産投資の落とし穴

落とし穴①:節税ありきで採算の合わない物件を買う

「100万円節税できる」と言われて、毎月手出しが15万円の物件を購入するケース。

毎月手出し: 15万円 × 12ヶ月 = 180万円
年間節税額: 100万円
実質的な損: 80万円/年(節税しても損)

節税額より手出しの方が大きければ、投資として失敗です。

落とし穴②:赤字垂れ流しで資産が目減りする

節税効果だけを見て、物件自体の資産価値低下・修繕費増大を見落とすケース。10年後に売ろうとしても、買値より大幅に安い価格でしか売れないことがあります。

落とし穴③:出口で大きな税金がかかる

大量減価償却で節税した後、売却時に高い譲渡所得税がかかります。

節税を正しく活用するためのポイント

  1. キャッシュフローがプラスか、許容範囲のマイナスかを確認(節税以前に収支が成立するか)
  2. 出口シミュレーションも同時に行う(売却時の税金も含めた総合収益)
  3. 年収の高い段階でより効果が大きい(年収700万円以上から効果が本格化)
  4. 税理士と連携して正確な計算を行う

まとめ

年収節税目安(物件1戸・年)推奨される主目的
〜500万円数万〜20万円程度資産形成・老後収入
500〜700万円20〜80万円程度節税+資産形成
700〜1,000万円50〜200万円程度節税+資産形成
1,000万円以上100〜数百万円以上節税+資産拡大

不動産投資の節税は年収が高いほど効果的ですが、あくまでも収益性が前提です。まずは複数社でシミュレーションを受けて、自分の収入での実際の節税効果を確認しましょう。

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執筆: Estate Serenity Nova Editorial Team編集部プロフィール) / 更新: 2026-06-13 / 編集方針