不動産投資

不動産投資の経費一覧|確定申告で落とし穴になりやすい項目

賃貸マンションの必要経費、経費にならない支出、領収書管理を2026年向けに一覧化します。

Estate Serenity Nova Editorial Team2026-05-31更新 2026-05-31

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不動産所得の「必要経費」は、収入を得るために直接必要な支出に限られます。2026年の確定申告でも、管理費・減価償却・ローン利息・固定資産税が中心ですが、経費にならないものを混ぜると修正リスクが上がります。本記事では、投資用マンションでよく使う経費一覧と、落とし穴を表形式で整理します。

経費になる

利息・管理費・償却・租税公課・保険等

経費にならない

元金返済・私的支出・資本的支出

帳簿

領収書・明細・按分メモ

青色

家事按分・65万控除と整合

経費になりやすい項目

科目注意
減価償却建物・設備現金なし
借入利息ローン元金除外
管理費管理会社年間明細
修繕費原状回復等資本的修繕は資産計上
租税公課固定資産税・都市計画税支払年
保険火災・地震期間按分
通信・交通現地確認按分

修繕積立金

積立金は「将来の修繕のための預け入れ」として処理され、実際の修繕支出と区別されます。管理会社の内訳書を必ず取得してください。

経費になりにくい・ならない項目

支出理由
ローン元金借入の返済
生活費・旅行私的
取得時の仲介(一部)取得費へ
大規模改装(資本的)減価償却資産

領収書管理

  1. 1

    月次

    管理報告と口座を突合。

  2. 2

    四半期

    未払い・前払いの整理。

  3. 3

    年末

    利息証明・保険・税通知をファイル。

  4. 4

    申告

    収支内訳書へ転記。

経費チェック

  • 利息証明の金額一致
  • 固定資産税の支払年
  • 私的カード利用の混入なし
  • 新規設備の資産計上判断
  • 空室時の広告費

物件別の年間経費例(ワンルーム1室)

家賃10万円・表面利回り7%・取得1,500万円の中古区分を想定:

科目年間金額経費可否
減価償却約30万円○(現金支出なし)
ローン利息約18万円
ローン元金約24万円×
管理委託費約3.6万円
修繕積立金約6万円△(実支出と区分)
固定資産税等約11万円
火災・地震保険約1.5万円
広告費(空室時)0〜5万円

現金ベースの支出だけ見ると年間約40万円、減価償却を加えると帳簿上の経費は約70万円規模になります。家賃収入120万円なら、不動産所得は黒字〜赤字どちらもあり得るため、確定申告の要否は金額だけで判断しないでください。

修繕費と資本的支出の線引き

支出内容経費処理
原状回復(通常)当期経費壁紙・クリーニング
設備の部分交換当期経費給湯器、エアコン
大規模リフォーム資産計上→償却全面改装、間取り変更
共用部修繕積立積立金は経費にしない管理組合への積立

原状回復と改善の境界

退去時の「原状回復費用」は経費になりやすい一方、入居者募集のためのリノベーションは資本的支出とみなされることがあります。見積書に「原状回復」「改善」の区分が書かれているかを確認し、10万円超の支出は税理士に事前相談する習慣をつけてください。

空室・入替時に使える経費

空室期間中も経費になり得るもの:

  • 募集広告費(ポータル、不動産会社への依頼)
  • 管理会社の空室管理料
  • 鍵交換・清掃(次入居者募集のため)
  • 火災保険・固定資産税(収入がなくても発生)

経費にならないもの:

  • ローン元金返済
  • 自己の交通・宿泊(私的要素が強い場合)
  • 取得時の仲介手数料(取得原価へ)

複数物件の経費管理

物件別フォルダの推奨構成

  • 管理会社の年間収支報告書
  • ローン利息証明(物件別口座が理想)
  • 固定資産税・都市計画税の納付書
  • 保険証券と払込証明
  • 修繕・原状回復の請求書
  • 減価償却計算表(税理士作成)

物件Aの修繕費を物件Bの収入と混同すると、収支内訳書の区分が狂います。会計ソフトでは「部門(物件)」を設定し、共用経費(税理士報酬など)は按分ルールをメモに残してください。

家事按分(青色)

自宅兼事務所の家賃・光熱費は、使用割合のメモとともに按分可能な場合があります。極端な按分(自宅90%を事業使用など)は否認リスクがあります。投資用物件の現地確認にかかる交通費は、物件所在地と自宅の距離・訪問頻度の記録があると説明しやすくなります。

按分対象目安注意
自宅家賃事務スペース面積比極端な按分は否認
通信費50%前後私的利用との混在
交通費現地訪問分のみ日当・記録を残す

税務調査で指摘されやすい項目

項目典型的な指摘
私的カードの混入経費から除外
過大な家事按分按分率の引下げ
修繕と資本的支出当期経費の否認
親族への過大報酬適正性の否認

領収書だけでなく、按分の根拠メモ・訪問日記を残すと説明がしやすくなります。

年間経費の記録フォーマット(物件別)

家賃管理費利息修繕租税公課備考
1
2
12

固定資産税・都市計画税は4期納付の月にまとめて記録。減価償却は年1回、税理士の計算表と突合します。

デベロッパー経由 vs 仲介経由の経費差

経費デベロッパー販売仲介中古
広告費募集委託に含む空室時に発生
リフォーム内装パック原状回復中心
保証会社更新料契約による入替のたび

取得チャネルによって「経費の出方」が変わるため、同じ表面利回りでも、実質経費率を比較してください。

減価償却以外の「現金を出さない経費」

減価償却は帳簿上の経費で、現金支出がありません。一方、修繕積立金は現金支出ですが、全額が当期経費にならない処理もあります。CF表では「帳簿利益」と「現金利益」を分けて管理すると、返済余力の判断が正確になります。

経費計上のタイミング

支出計上の年
固定資産税支払年
前払い保険(2年分)按分または支払年
管理費(未払)発生主義(青色)

サラリーマン投資家の経費TOP5

  1. 減価償却(現金なし)
  2. ローン利息
  3. 管理委託費
  4. 固定資産税・都市計画税
  5. 修繕費・原状回復

この5項目で経費の8割以上を占めるケースが多いです。領収書管理はこの5項目を優先してください。

  1. 1

    管理報告と突合

    毎月、家賃入金と管理費を確認。

  2. 2

    四半期で未払整理

    修繕見積・保険の前払いをチェック。

  3. 3

    年末に一括ファイル

    利息証明・税通知・保険をフォルダへ。

  4. 4

    申告前に税理士確認

    資本的支出の有無を最終確認。

火災・地震保険の経費按分

2年分一括払いの火災保険10万円は、契約期間に按分して各年の経費に計上します。申告年に10万円を全額経費にすると、翌年の経費がゼロになり、修正が必要になることがあります。保険証券の期間と支払日をメモに残してください。

ローン関連費用の整理

費用経費備考
利息年間証明書
元金×CFのみ
保証料前払いは按分
事務手数料融資時のみ

経費漏れチェック(申告直前)

最終確認

  • 利息証明と仕訳金額の一致
  • 固定資産税・都市計画税の支払年
  • 火災保険の按分期間
  • 修繕費の資本的支出判定
  • 私的カード利用の除外
  • 空室期間の広告費

経費の8割は上記6項目で占まります。ここを押さえれば、初年度の申告品質は大きく上がります。

白色 vs 青色の経費計上

白色申告でも経費の範囲は同じですが、家事按分・赤字繰越は青色のみ。経費一覧を整理したうえで、青色申告ガイドで65万控除の要否を判断してください。

物件取得初年度の経費

支出初年度の扱い
取得前の内覧交通費原則経費外
決済日以降の管理費経費
入居月以降の家賃収入
年按分の減価償却経費(月割)

取得年は12か月満了しない場合、家賃・償却とも月割計算が基本です。

経費計上の年跨ぎ

12月に支払った管理費が1月分を含む場合、按分が必要なことがあります。管理会社の請求書の「対象期間」を確認し、申告年に属する金額だけを経費に計上してください。同様に、1月支払いの固定資産税第4期は、前年度分が含まれるため、通知書の期間表示を必ず確認します。

修繕積立≠修繕費

管理組合への修繕積立金の払込は、多くの場合当期の修繕費として全額計上しません。実際に大規模修繕が実行された年の支出と、積立金の関係を税理士に確認してください。

経費管理の基本は、管理会社の年間報告書と自分の仕訳を月1回突合することです。1年間放置すると、私的支出の混入や経費漏れが申告直前に発覚し、修正申告のリスクが上がります。

減価償却ガイドとあわせ、現金支出のない償却と、現金支出のある経費を分けてCF表を管理すると、申告と返済計画の両方が見えやすくなります。初年度からこの分離習慣をつけてください。

まとめ

経費は「収入に直結する支出」に限定。元金・私的支出を除外し、領収書と按分メモを年間で揃えれば申告の品質が上がります。

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執筆: Estate Serenity Nova Editorial Team編集部プロフィール) / 更新: 2026-05-31 / 編集方針