銀行や信用金庫の不動産投資ローンで融資を断られた場合や、銀行融資の条件が合わない場合の選択肢として「ノンバンク融資」があります。ノンバンクは利便性が高い反面、金利や手数料の高さ・リスクを正確に理解した上で利用する必要があります。
ノンバンクとは
銀行・信用金庫・信用組合などの「銀行法」の適用を受ける金融機関ではなく、「貸金業法」に基づいて融資を行う金融機関の総称です。
不動産投資ローンを扱う主なノンバンク
| ノンバンク | 特徴 |
|---|---|
| オリックス銀行(ノンバンク系) | 不動産投資に特化・フルローン可能 |
| SBJバンク | 外資系・審査がやや柔軟 |
| セゾンファンデックス | 個人・法人双方対応 |
| AGビジネスサポート | 中小企業・個人事業主向け |
| 日本政策金融公庫 | 創業・事業者向け(低金利) |
※日本政策金融公庫は厳密にはノンバンクではありませんが、不動産投資でも利用可能です。
銀行とノンバンクの違い
| 項目 | 銀行・信金 | ノンバンク |
|---|---|---|
| 金利 | 1.5〜4%程度 | 3〜8%程度 |
| 審査の厳しさ | 厳格 | 比較的緩い |
| 融資可能な物件 | 立地・築年数の制限が多い | 幅広い(地方・築古も可) |
| 融資比率 | 70〜90%程度 | 90〜100%(フルローン可の場合も) |
| 返済期間 | 25〜35年 | 15〜30年(短め) |
| 収入確認 | 厳格(源泉徴収・確定申告) | 柔軟(売上実績・事業計画等) |
ノンバンクのメリット
メリット①:銀行で断られた属性でも融資を受けられる
ノンバンクが通りやすい属性例:
✅ 個人事業主・フリーランス(確定申告3年未満)
✅ 年収400万円以下(低収入)
✅ 転職後1年未満(勤続年数が短い)
✅ 他にローンがある(多重債務ではないが複数借入あり)
✅ 外国籍・永住権保有者
メリット②:地方物件・築古物件でも融資が付く
銀行が融資を嫌がる物件にも対応できることがあります。
銀行が断りやすい物件タイプとノンバンクの対応:
地方の高利回り物件(銀行NG) → ノンバンクで対応可能なことも
築30〜40年の中古物件(銀行NG)→ 担保評価次第で対応可能
再建築不可物件(ほぼ全行NG) → 一部ノンバンクで対応可能
メリット③:スピードが速い
銀行の審査に比べて、**融資決定が早い(1〜4週間)**場合があります。銀行は1〜3ヶ月かかることも珍しくありません。
ノンバンクのリスク・デメリット
リスク①:金利が高くキャッシュフローを圧迫する
金利の差による返済額の比較(借入3,000万円・30年):
銀行(金利2%): 月返済 約110,917円
ノンバンク(金利5%): 月返済 約160,992円
ノンバンク(金利7%): 月返済 約199,600円
差額(5%の場合): 月50,000円・年60万円
30年間の差額: 1,800万円
家賃収入より返済額が高くなり、毎月多額の手出しが発生するリスクがあります。
リスク②:期限前返済手数料が高い
銀行より期限前返済(繰り上げ返済・借り換え)の手数料が高い場合があります。将来的に銀行に借り換えたい場合のコストを事前に確認してください。
リスク③:返済期間が短く月返済が重くなる
ノンバンクは返済期間が15〜25年と短いケースが多く、月返済額が重くなることがあります。
リスク④:悪質業者に注意
「審査なしで融資」「書類不要」を謳う業者には悪質業者も含まれます。金融庁登録番号・貸金業登録番号を必ず確認してください。
確認すべき登録情報:
・金融庁のウェブサイトで登録確認
・貸金業登録番号
・過去の行政処分・苦情実績
ノンバンクは「最終手段」として位置づける
ノンバンク融資は高金利が伴います。まず銀行・信用金庫でできる限り審査を受け、すべて断られた後の最終手段として検討することをお勧めします。
ノンバンク融資を使う判断基準
使う価値がある場合
条件①: ノンバンク金利でも物件のキャッシュフローがプラス
例: 家賃10万円 - 返済8万円 - 経費1万円 = +1万円/月
条件②: 将来的に銀行融資に借り換える計画がある
→ 最初のうちはノンバンクで融資、
1〜2年後に実績を積んで銀行に借り換え
条件③: 高利回り物件で金利差を吸収できる
→ 表面利回り12%以上の高利回り物件であれば、
5〜7%の金利でもキャッシュフローが成立
避けるべき場合
✅ 利回りが低く(5〜6%以下)、ノンバンク金利では赤字になる
✅ 銀行への借り換え計画が立てられない
✅ 自己資金がなく手元資金が枯渇するリスクがある
まとめ
ノンバンク融資は、銀行に断られた属性や物件に対応できる柔軟性が最大のメリットです。一方で、金利の高さがキャッシュフローに与える影響を慎重に計算した上で利用を判断してください。
まずは不動産投資会社を通じて銀行・信金・ノンバンクの複数金融機関に融資の打診を行い、最も有利な条件を選ぶことが重要です。
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