不動産を売る方法は大きく2つあります。「仲介」(買い手を一般市場で探す)と「買取」(不動産会社が直接買い取る)です。それぞれの特徴を理解せずに選ぶと、数百万円の損をする可能性があります。
本記事では、仲介と買取の違い・それぞれのメリット・デメリット・どちらを選ぶべきかの判断基準を詳しく解説します。
仲介と買取の基本的な違い
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却先 | 一般の買い手 | 不動産会社(業者) |
| 売却価格 | 相場の80〜100%(高め) | 相場の60〜80%(低め) |
| 売却期間 | 3〜6ヶ月(長い) | 1〜2週間(短い) |
| 仲介手数料 | 売却価格×3%+6万円(税別) | 0円 |
| 内覧の手間 | あり(複数回) | なし(業者のみ) |
| 契約不適合責任 | あり(原則) | なし(買取は免除が多い) |
| 売却の確実性 | 不確実(買い手次第) | ほぼ確実 |
仲介売却とは
仲介は、不動産会社に仲介役(エージェント)として売買を手伝ってもらう方法です。
仲介の流れ
1. 複数社から査定を受ける
2. 媒介契約を結ぶ(1〜3社)
3. 不動産ポータルへの掲載・営業活動
4. 内覧(買い手の見学)
5. 価格交渉・契約
6. 引き渡し(決済)
仲介のメリット
最大のメリットは「売却価格が高い」こと。一般の買い手(実需)は物件に住むために購入するため、業者より高い価格で買ってくれます。
- 市場価格に近い価格で売れる
- 複数の買い手と競争させることで高値を引き出せる
- インスペクション(建物状況調査)実施で買い手の安心感を高められる
仲介のデメリット
- 売却まで3〜6ヶ月かかる(買い手が見つかるまで不確実)
- 内覧対応が必要(掃除・対応の手間)
- 契約が途中でキャンセルになることがある
- 仲介手数料がかかる(売却価格の3.3%)
仲介手数料の計算
売却価格3,000万円の場合の仲介手数料(上限):
3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円(税別)
消費税10%で: 96万円 × 1.1 = 105.6万円
※実際は上限内で交渉できることもある
媒介契約の種類
| 種類 | 特徴 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 専任媒介 | 1社のみ・2週間に1回報告義務 | 積極的に売りたい |
| 専属専任媒介 | 1社のみ・週1回報告義務・自己発見取引不可 | 最も迅速な対応を求める |
| 一般媒介 | 複数社可・報告義務なし | 複数社を競わせたい |
買取とは
買取は、不動産会社が自社で物件を直接購入する方法です。業者はリフォームして転売するため、仲介より低い価格でしか買えません。
買取の流れ
1. 不動産会社に問い合わせ(1〜2社)
2. 現地調査・査定
3. 買取価格の提示(数日以内)
4. 売買契約・引き渡し(最短1〜2週間)
買取のメリット
- スピードが圧倒的に速い(最短数日〜2週間で完了)
- 売却が確実(買い手探し不要)
- 内覧が不要(他人に見せなくてよい)
- 現状のまま売れる(リフォームや修繕不要)
- 契約不適合責任が免除される場合が多い
- 仲介手数料がかからない
買取のデメリット
- 売却価格が相場の60〜80%(損になりやすい)
- 相場より安く売るので、差額は業者の利益になる
- 選択肢(買い手)が限られる
買取価格の目安
仲介売却相場: 3,000万円
買取価格: 3,000万円 × 60〜80% = 1,800〜2,400万円
差額: 600〜1,200万円
この差額が大きいため、買取は「急ぐ・手間をかけたくない」という明確な理由がある場合のみ検討してください。
どちらを選ぶか:判断基準
仲介を選ぶべき場合
- 時間に余裕がある(3〜6ヶ月の売却活動を許容できる)
- 少しでも高く売りたい
- 物件の状態が良い(内覧でも見栄えがする)
- 主要都市圏の需要があるエリア(買い手が集まりやすい)
買取を選ぶべき場合
- 急ぎで現金化が必要(離婚・相続・住み替えなど)
- 内覧を見せたくない事情がある
- 築古・旧耐震・瑕疵ありで仲介では売れにくい
- 離れた地域の物件で内覧対応が難しい
- ローン返済に間に合わせたい
ハイブリッド:仲介で売れなければ買取
最初は仲介で売り出して、一定期間(3ヶ月)で売れなければ買取に切り替える方法です。多くの不動産会社が「仲介+買取保証」のセットサービスを提供しています。
Step 1: 仲介で3ヶ月売り出す(高値を狙う)
Step 2: 売れなければ買取保証価格で売却(確実に売れる)
契約不適合責任について
仲介売却では、**売却後に発覚した瑕疵(雨漏り・シロアリ等)**について、一定期間売り主が責任を負います。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 契約不適合責任 | あり(原則) | なし(免除されることが多い) |
| 売却後のリスク | ある | ほぼない |
| 「現状有姿」売買 | 交渉次第 | 標準 |
物件に雨漏り・シロアリ・設備の不具合がある場合、仲介では告知義務があり、価格交渉・修繕対応が必要です。買取なら契約不適合責任が免除されるため、「訴えられるリスク」を取り除けます。
査定は必ず複数社で受ける
仲介・買取どちらを選ぶにしても、必ず複数社で査定を受けてください。
- 仲介査定: 各社の査定価格を比べて相場を把握
- 買取査定: 複数社の買取価格を比べて最高値を探す
査定は無料で受けられます。一括査定サービスを使えば、複数社に同時依頼できます。
査定価格 ≠ 売却価格
仲介の査定価格は「こんな価格で売れると思います」という目安であり、保証ではありません。実際の成約価格は市場の反応次第で変わります。一方、買取の提示価格は確定した金額です。
まとめ
| 仲介 | 買取 | |
|---|---|---|
| 最大のメリット | 高値で売れる | 速い・確実 |
| 最大のデメリット | 時間・手間がかかる | 安値になる |
| 向いている状況 | 時間があり高値優先 | 急ぐ・手間をかけたくない |
まずは複数社で査定を受けて相場を把握し、「仲介の場合の予想価格」と「買取価格」を比較した上で判断しましょう。急ぐ必要がなければ、まずは仲介で試してみることをお勧めします。
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